1、実戦で使える格闘技術の修得

多くの方にとって実戦経験は、一生に一度あるかないかでしょう(できれば無いことを願いたいものです)。
しかし、武術を学ぶ以上、危機的状況下で使えなければ意味がありません。
 
 
ところで、危機的な状況を回避あるいは制圧する上で一番重要なのは、
小手先の技よりも、気持ちが落ち着いていることです。
 
気持ちが落ち着いていれば刻々と変化する状況を冷静に把握し、臨機応変な行動が可能となります。
身に降りかかる危険は、いつ、どの方向から、どのタイミングで降りかかってくるかは分かりません。
またそれらの危険に対してオールマイティで対処の効く簡単な動作や型など創れないでしょう。
こうした場合、緊張せずに変化できることが最大の武器となりえます。
 
 
 
護身術と謳われるものは、誰にでもできる意外と簡単なものであったり、
あるいは逆に、複雑すぎてとっさにはできそうもないものかのいずれかが多いようです。
前者の「意外と簡単な動作」も、恐怖で極度の緊張に襲われていたなら、
実際にはそう簡単に実行できるものではありません。
 
 
 
体全体が連動して動くようにしてあれば、体の上下前後左右どこに接触されても、
最小、最速の動きで相手に大きな力を伝えることができます。
これは、立禅、歩法、走圏で練り上げます。
相手が相当な白兵戦の達人(笑)とかでない限り大げさで複雑な型の動作は不要です。
 
 
また、八卦掌の特徴は自分の内外に滞りをなくすことで、自在に変化できる点です。
 
 
緊張は呼吸を停滞させ、横隔膜筋をはじめ体の筋肉を収縮硬化させます。
策に意識が滞っている状態とは、実際に起きていない事態への思考の執着で、
硬化した構えにつながります。上述の通り、敵は自分の想定通りに襲ってくるとは限りません。
 
 
八卦掌の套路は終わりまで歩法が止まらないことが他の多くの武術と異なる点です。
円周上を360°の敵を想定しながら停まらずに動き続ける訓練を積みます。
立ち止まって考えている時間なく、しかし落ち着いて冷静に攻撃・防御と手足を動かし続けることを
体に染み込ませます。ですので、心身ともに実戦で使える格闘技術が修得できるようになります。
 
 
 
 
 
 
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